植木屋のホームページ、何を載せれば仕事が伝わる?
写真一件と現場メモから、原稿の材料をそろえる
植木屋のホームページに最初に載せるのは、「相談してほしい仕事一つ」と「それを説明できる現場一件+短いメモ」です。写真をたくさん並べるより先に、初めてのお客さんが「うちも頼めるか」を判断できる材料が要ります。
「原稿と写真を用意してください」と言われて、手が止まった方は多いと思います。電話ならいつも説明できるのに、文章にしようとすると何から書けばいいか分からない。この記事は、そんな植木屋・造園業の方に向けて書いています。
植木屋を探しているお客さんは、「どんな植木屋が来るのか分からない」という不安を持っていることが多いものです。今の業者に少し不満があっても、新しいところがどうなのかも分かりにくいので、乗り換えに踏み切れません。そこでHPに事例が載っていると、かなり安心した状態で依頼してもらえます。こちらにとっても、仕事を引き受けやすくなります。
この記事で分かること:①最初に載せる仕事の選び方 ②写真一件に添えるメモの書き方 ③料金を決めきれなくても書ける見積もり情報。読み終わる頃には、手元の写真一件から「載せる材料」と「まだ誰かに聞くこと」が分かれています。
1.最初に「どんな相談をしてほしいか」を決める
できる作業をすべて並べる前に、HPを見た人にまず相談してほしい仕事を一つ選びます。庭木の剪定、庭全体の手入れ、定期管理など、実際に受けている仕事の中から選んでください。
仕事の名前だけでは、初めて依頼する人の疑問が残ることがあります。たとえば「庭木の手入れ」と書いてあっても、個人宅から頼めるのか、一度だけでも相談できるのか、自分の地域が対象なのかは分かりません。
選んだ仕事について、対象・対応地域・受けられる条件・現地確認が必要なことをメモします。普段、電話で説明していることを思い出すと材料になります。受けていない仕事まで広げて書く必要はありません。
2.写真には「何をした仕事か」が分かるメモを添える
次に、その仕事を説明できる現場の写真を一件選びます。写真を見れば仕上がりは伝わっても、何を相談され、どこを考えて手を入れたかまでは伝わりません。その部分を短い言葉で補います。
筆者はこれまで、とても綺麗な個人邸の庭や、面白い現場を手がけている植木屋さんを何人も見てきました。事例として出せば興味を引くし、その凄さも伝わるのに、写真はせいぜいスマホの写真フォルダに残っているだけ。もったいないと感じます。
筆者が出たある現場で、親方が「去年一年で、このキンモクセイが一番綺麗にできた」と話していました。通りがかった近所の方も「あんなキンモクセイは見たことがない」と褒めていました。こういう“作品”は、誰の現場でも毎日生まれているはずです。それを自分だけの記憶に留めず、お客さんに見せる「安心の記録」として残してほしいと思います。写真に短いメモを添えておけば、それがそのまま記録になります。
メモするのは、相談内容、作業前の状態、行った作業、工夫や判断の理由、確認できた仕上がりの五つです。長い紹介文ではなく、箇条書きで構いません。
たとえば説明用のひな形なら、「作業:庭木の剪定と清掃」「工夫:残した枝と切った枝、その理由を担当者に確認」「仕上がり:写真と作業記録で確認できる変化を書く」と整理できます。これは実際の施工事例ではなく、書く項目の例です。
全部を埋めてから進める必要はありません。写真だけでは分からない依頼理由や作業時間、お客さんの感想は、確認する欄へ分けます。「何が分かっていて、誰に何を聞けばよいか」が見える状態にすれば、原稿づくりを始められます。
| 今の状態 | 次にやること |
|---|---|
| 写真はあるが説明がない | 一件だけ選び、相談・作業・工夫を3行でメモする |
| 何でも受けるので、載せる仕事を絞れない | 一番相談してほしい仕事を一つ決め、他は「その他のご相談」にまとめる |
| 料金を出せない | 見積もりの時に聞いていることを3つ書き出す |
| もうHPがある | 準備シートと今のページを見比べ、足りない欄を一つ選ぶ |
3.料金を決めきれなくても、見積もりに必要な情報は書ける
木の大きさや作業条件で金額が変わるなら、無理に一律料金へまとめる必要はありません。ただし「要見積もり」だけでは、お客さんは何を伝えればよいか迷います。
普段の見積もりで確認していることを整理してください。写真、作業してほしい場所や範囲、希望時期など、自分の仕事で実際に必要としている項目です。金額を載せる場合は、何の料金か、処分費などをどこまで含むか、追加になる条件も一緒に確認します。
たとえば、東京都大田区のだるま植木の代表・達朗さんに下見で何を見るか聞くと、木の大きさや人数だけでなく、作業場所までの通り道、鍵が要るか、切った枝を車に積めるか、パッカー車(ごみ収集用の車)が要るかまで確かめていました。こうした「いつも下見で見ていること」が、そのまま見積もり依頼の案内になります。
筆者自身も植木屋として現場に立っています。刈り込みは今はバリカンから始めるのが主流ですが、筆者は手刈りから教わりました。形を細かく整えることが大事だと教えてくれた親方には感謝しています。
情報は「そのまま案内できる」「現場を見て判断する」「事業者側でまだ決めていない」の三つに分けると、未確定の条件を原稿で約束してしまうのを防げます。
4.連絡したあとに何が起きるかまで伝える
頼める仕事が分かっても、問い合わせ後の流れが見えなければ、連絡前に迷いが残ります。窓口だけでなく、最初に伝えてほしいこと、返答する担当、現地確認・見積もり・日程相談の流れを用意しましょう。
返信までの日数や無料対応の範囲は、実際に守れる条件だけを書きます。また、写真は掲載許可を確認し、表札・顔・車の番号など、公開に不要な情報が写っていないかを見てください。
ここまでが原稿の材料です。フォームの動作は別に確かめる必要があります。文章が整っていても、相談が窓口に届くことまで確認できたわけではありません。
そのまま使える、HP原稿の準備シート
次の項目を、普段使っているメモや文書へコピーしてください。空欄は残して構いません。
1.相談してほしい仕事:
2.対象・対応地域・受けられる条件:
3.料金として案内できること/見積もりで決まること:
4.写真一件と、相談・作業・工夫・仕上がりのメモ:
5.写真の掲載許可/外に出さない情報:
6.連絡方法/最初に必要な情報/その後の流れ:
7.まだ分からないこと/確認する相手:
すでにHPがある方は、このシートと今のページを見比べます。「対応地域が古い」「写真だけで作業の説明がない」など、不足を一つ選べば、修正依頼の内容が具体的になります。
まず一件、説明できる現場を選んでみる
HP全体を書き上げようとせず、一件の写真に短いメモを添えるところから始めてください。制作を依頼する場合も、未確認の欄を残したまま渡せます。文章を整える前に、使える材料と、これから聞くことを共有するためです。
材料がそろったら、次は「公開した後、どこから直すか」です。すでにHPがある方は『植木屋のホームページ、公開した後はどこから直す?』をご覧ください。